都心の商業地域にある3階建ての住宅です。
防火地域に該当するため、木造耐火構造を採用しました。
周囲を高い建物に囲まれているため、道路に面した開口と、上(塔屋、トップライト)から落ちる光で満たされる空間としています。
空調は、ラジエータの中に冷/温水が循環することで、自然で安定した涼しさ/暖かさをつくりだす除湿型放射冷暖房を家全体に採用しています。
住宅
木造耐火
下階に光を落とす吹抜けに面した大きな本棚は、蔵書量が多い家族の象徴的な場所です。
本棚下にあるスキップフロア階段の一部が、トップライトからの光で本を読めるベンチになっています。
ベンチとTV台の下は、子供のおもちゃやビデオデッキ等をしまえる収納になっています。
放射式冷暖房の快適さを最大限活かすため、塔屋を換気塔とし、吹抜けを通して常に家全体の空気の入れ替えが促される換気計画としています。
大きな窓に面した縁台に座って、植え込み越しに外を見ることができます。
リビング、書斎の天井は低めに抑え、吹抜けとの対比をつくっています。
リビング横には造付けの机のある仕事/勉強用スペースがあり、放射熱冷暖房パネルによって緩やかに仕切られています。
机の横には明り取りの窓を設けています。
大きな窓のあるリビングと上から光が落ちてくるダイニングは、間にある段差によって分けれることで、それぞれの居場所としての個性が強調されるとともに、全体としての奥行が生み出されます。
ダイニング奥の壁に上から落ちてくる光の様子は、季節、天候、時間によって様々に変化し、窓がなくても開放感を感じることができます。
2つの寝室は本棚のある吹抜けで分けられ、吹抜け上部からの光は障子窓を介してそれぞれの寝室にもたらされます。
障子窓をあけてそれぞれの寝室から本棚を使うことができます。
階段は、段板をL字型の形状にすることで、段板間の隙間を子供の頭が入らない高さにし、光が落ちる開放感と安全性を両立させています。
窓や扉を外壁から奥まった位置に設け、リビングが面した窓には植込みスペースを設けることで、前の道路からの距離感をつくっています。
植込みスペースは自動灌水設備で管理され、庭のとりづらい都心でも緑を楽しめる家になっています。
窓や扉が奥まることでできる軒裏部分には、太陽高度の高い夏季の日射を遮り、また木製サッシ/扉を風雨による劣化から守るはらたきがあります。